オフィスの探し方
このページでは、事業用不動産を探す人が物件検索をする前にしておくべき、検討準備の方法をお伝えします。
オフィスの探し方の定石
在宅やリモートワークといったオフィスの分散化、新しい働き方を取り入れる企業も増えたこともあり、場所・広さに対す企業の考え方は大きく変化し、オフィスを選ぶ条件もそれにともない変化をしていますが、物件を借りるという選択をするときには、以下の方法で意思決定を行うことが、定石だと私たちは考えています。
- 借りる不動産の目的をイメージする。
- 目的を実現する(現在のオフィスの課題を解決する)物件が存在するかを探してみる。
- 物件が見当たらない場合は、再度目的にフォーカスし、優先すべき課題をあげる。
- 優先すべき課題を解決する物件の条件を考える。
- 再度物件を検索する。
物件は2つと同じものがないため、見ているうちに一長一短と感じたり、あれもいいこれもいい、と感じたり、なかなか1つの物件に定まらないということがあります。そもそも、オフィスや事業用途に使用する不動産を探すとき、今使っている場所の2倍にとか、なんとなく半分にと、考えることが多いと思います。それは住宅と違い事業用不動産には間取りというものがなく、会社のスタイルに合わせて借りた後にオーダーメイドで作るというのが取引形態の大部分を占めるからです。内装の図面を引いてみると、思ったより狭いとか、思ったより余裕があったり、広さひとつでも随分とイメージが異なるものです。
探し始めは、目的や条件が明確に定まっていないことも多いため、webの検索サイトで物件情報を探し、実際に内見をする中で、徐々にフォーカスを当てていくということが多く、最初から条件が確定的に決まっていて、変わらないということは実はあまりありません。
そのとき、目的は何だったか、それを実現することはできるか、条件は妥当かという選択に戻ってきます。この作業を2-3度繰り返し、自分の課題が徐々にまとまってきます。課題が明確になってくると、選択に必要な要素がそろい意思決定がしやすくなります。
思った物件がないという理由で移転がなくなったりすることがありますが、実はその理由は少し違っていて、移転する理由に緊急性がなく、現在のオフィス内で問題を解決できるケースや、移転や事務所の分室をだすことによるデメリットがメリットを上回ってしまうケースが少なくないからです。それは、広くするときも、狭くするときも、コストを削減するときも、どのような理由だったとしても起きうることです。
課題の整理は、自身ですることも、仲介会社と一緒にすることもできます。どのようなスタイルをとるとしても、オフィスに問題を感じたとき、課題のレベルにブレイクダウンする時間を1時間程度とることをお勧めします。
一般的に、オフィス仲介業者の役割は
-
オフィス
課題の抽出 -
物件の
紹介 -
物件の
案内 -
契約条件の
折衝 -
契約内容・
書面の確認
の範囲のなかで行われます。ネット系不動産仲介会社の場合、お客様となる借主にウェブ上で物件を選択してもらう①②を省いた形をとっている会社も多数あります。業種に特化した会社、エリアに特化した会社、小規模物件を取り扱わない会社など、得意な分野も異なります。仲介手数料もそれぞれで、自社の状況にあった不動産会社を選ぶということが大切です。とうぜん、不動産会社を使わずに、自身で物件を探し、条件交渉するということも、選択肢としてありますが、課題がはっきりとしている物件探しは、成功する可能性が高く、少なくとも失敗したという結果にはならないので、物件探しをする前にどういう課題があるか、整理をするところから始めてみるといいと思います。