所有権にかかわる権利(甲区)が『無』の場合、所有者に関する事が記載されているだけなので何ら問題はありません。 しかし、『有』となっている場合は、差押登記や仮登記などがされている可能性があります。 この場合、抹消されていなければその取引は危険なので、登記簿でも確認をする必要があります。 差し押さえが実行され競売にかけられた場合、預入している敷金や保証金などについては、原則戻ってこない場合がほとんどです。 新所有者との新しい契約になるため、新規の敷金が必要になったり、賃料の設定も変更がある可能性もあります。 甲区欄にの有りのリスクは非常に重大なため、登記簿謄本をできるだけ直近のもので確認をします。
所有権以外の権利(乙区)が『無』の場合、抵当権などの担保権や地上権などの用益権が無いということです。 『有』の場合、それは、抵当権が付いている可能性が高いといえます。 実際には、ほとんどの賃貸ビルは抵当権が付いていますので、重要事項説明では有りと説明されることが多くなります。 登記簿には、その借入額なども記載されていますので、確認してみて下さい。 注意しなければならないのは、万が一所有者が返済しきれなくなった場合です。 その建物は競売にかけられることとなり、入居者は退去(6ヶ月の猶予)しなければならないということになってしまいます。
登記名義人と貸主が一致しない場合は、その所有者名と理由を記載します。信託になっていたり、転貸されていたりなどが一般的なケースになります。
賃貸の場合、借主には直接的には関係がない部分も多く、都市計画法や建築基準法による制限は、重要事項説明での説明を義務付けられていません。ただし、賃貸の場合でも説明をしなくてはいけない法令があります。新住宅市街地開発法32条1項 新都市基盤整備法51条1項 流通業務市街地の整備に関する法律38条1項 です。
ここにはライフラインの項目となります。 マンションは個別メーターがありますので、ほとんどの物件で電気・水道・ガス会社を借主が選んで契約することが出来ますが、ビルの場合一括でビルが契約し、使用量に応じた請求が行われる場合がほとんどです。 また、一般家庭用の設備とは異なるため、請求の方法が様々です。 基本料・kw当たりの使用量など、できれば事前に把握をしておけると、入居後光熱費の料金でトラブルになることがなくなります。 全テナントがいくらくらい使っていたかなど、明細を貰うのも方法です。
工事完了時の形状や構造、間取り、内外装の仕上げなどを平面図で説明します。 未完成物件は現況の確認ができないため、できるだけ詳細な資料を閲覧することが望ましいと言えます。
事業用不動産では省かれます。
専有部・共有部ともに設備の概要の説明です。エレベータが何基ある、駐車場・駐輪場の有無など。
平成18年4月に宅地造成等規制法が改正され、「宅地造成工事規制区域」に該当しなくても、相当数の居住者に危害を生ずるおそれが大きい一団の造成宅地を「造成宅地防災区域」として指定することができるようになりました。 「造成宅地防災区域」は都内では指定していません。
土砂災害が発生した場合に、住民の生命または身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域で、土砂災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域。
土砂災害警戒区域等マップ http://www2.sabomap.jp/tokyo/
東京都は現在全域で未指定ですが、津波災害警戒区域内か否かについては、下記ハザードマップを合わせてみてみると良いでしょう。
昨今、平成 30 年7月豪雨や令和元年台風 19 号など、甚大な被害をもたらす大規模水災害の頻発を受けて、不動産取引時において、水害リスクに係る情報が契約締結の意思決定を行う上で重要な要素となってきました。 そこで、水防法(昭和 24 年法律第 193 号)に基づき作成された水害ハザードマップを活用し、重要事項に水害リスクに係る説明をおこなうことが追加されました。 水防法に基づく水害ハザードマップとは、水防法第 15 条第3項の規定に基づいて市町村が提供する水害(洪水、雨水出水、高潮)ハザードマップを指します。 (ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp/)
宅地建物取引業者は、売主や貸主に問い合わせた結果、アスベストに関して調査したことがないということであれば、その旨を説明すれば足ります。 調査記録がある場合には、A:調査の実施機関、B:調査の範囲、C:調査方法、D:調査年月日、E:石綿の使用の有無、F:石綿の使用の箇所や状態等について説明することが必要です。 宅地建物取引業者の義務としては、A:石綿の使用の有無に関する調査記録の存否の調査・説明義務と、B:調査記録が存する場合のその内容の説明義務の2つがあることになります。
建物が耐震診断を受けたものであるときは、その内容を記載します。 昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したもの(いわゆる新耐震基準に適合しているもの)は除きます。 物件を借りる際も耐震に対する備え場どうされているかは、借りるうえでの大切な確認項目です。