オフィス家具メーカーと呼ばれる会社は10社くらいありますが、家庭用家具メーカーさんもオフィス家具を作っているところがあります。実際耐久性など心配な方もいると思いますが、一般オフィス家具と比べて価格が安かったり、納品までのスケジュールが早かったりという特徴があります。
心機一転、社員数や都合にあわせて一新されるオフィス家具。一度購入したら、壊れてしまったり汚れがひどくなったりするまで、長期間使用するもの。すぐに買い替えないからこそ、見た目はもちろん機能性もこだわって選びたい。
そこでこの記事では、イケア・アスクル・楽天・無印良品・ニトリでオフィス家具を揃える際のポイントを、いくつかの項目で比較・まとめてみました。
働く空間であるオフィスではなにが必要でしょうか?住空間であればベッドやワードローブ、テーブル、椅子などが挙げられますね。オフィスを構成する要素として最低限欠かせないものには
があります。
今回は小規模8人の会社、広さ20坪程度のオフィスへの移転を想定して、イケア・アスクル・楽天・無印・ニトリのオフィス家具販売人気5社でオフィス家具を揃えた場合を比較していきます。
デスク:8台 | 複数人で腰掛けられる長さのあるデスクを利用する場合もありますが、今回は1人1台として仮定します。 |
---|---|
チェア:10~16脚 | デスクとセットになる基本の8脚に加え、打ち合わせ用のデスクにも椅子が必要なためおおよそ上記の数が基準になりえます。オフィスのコンセプトによってはローテーブルにソファで打合せをする企業様もあります。 |
棚:1台~ | 書類や備品をしまうのに必要なのはもちろん、このようなコンパクトオフィスであれば間仕切りの役目を担うことが多いです。一室の中に打ち合わせの空間と業務を行うデスクがありますから、プライバシーに考慮しながら上手にスペースを活用していきたいですね。 |
ミーティング テーブル:1台~ | 社内のミーティングはもちろん、外部からの来客にもここで対応します。大きく、普通のデスク以上に上質なものが求められる事も少なくないため、他の家具よりも到着までに時間がかかる場合が多いです。 |
さらに業態によって必要な家具、家電、オフィス用品・備品が異なり、必要な物が揃うことによってスムーズな業務再開につながります。
オフィスの移転を考えている企業様は、なるべく業務が滞る日数を減らし、新しい拠点でもいち早く業務に取り掛かりたいですよね?そのため重要な要素の一つに、「期日までにオフィス環境が整っている事」があります。一般的に家具メーカーで揃える場合は2週間~2ヶ月ほどかかると言われています。
こちらの項目では以下の5社で到着までの日数を比較してみました。
北欧スウェーデン発祥・世界最大手の家具メーカーで、皆さんがご存じなように家庭用家具が非常に高い支持を集めていますが、オフィス家具でも人気が出ています。
デスク・打合せ用の大テーブル・チェアは3-14日で到着、棚に関しては2日後から店頭での受け取り可能との表記がありました。
2週間前には注文しておくと余裕を持てそうです。また到着日の日付の指定ができるのがとても便利です。
最短当日、翌日以降にオフィス家具を届ける通販サイト。家具の他にも箱ティッシュやガムテープ・ボールペンのような消耗品なども販売しています。選ぶ物にもよりますが、デスク・打合せ用の大テーブル・チェアは最短が当日、棚に関しては翌日到着が最短になるようです。
「明日来る」という社名の由来どおり、到着までの日数が非常に短くて便利です。タイトスケジュールでのオフィス移転や新設の企業様におススメです。
楽天はインターネット・ショッピングモールとして世界的に有名です。発送日時に関しては個人商店を含めた様々なショップがあるため正直はっきりしたところは言い切れません。ですがオフィス家具に限って言えば、「12時までに注文の商品であれば翌日配送」が可能なショップや商品が多かったです。
同名ブランドやMUJIブランドで住宅・家具・衣料品・雑貨・食品などの商品開発、製造・販売、小売店舗を展開する専門小売企業です。国内外1029店舗が出店しています。2016年から「感じ良いはたらく場のつくり方」の実現に取り組んでいくべくオフィス向けの家具も発売開始しています。こちらは専任のアドバイザーが店頭もしくは現地にて、【ご相談】→【仮プラン作成】→【現地下見】→【お見積・プラン提示】→【ご成約】→【施工・納品】の流れでコーディネートを行うコンセプトとなっています。そのため他4社以上に時間を要します。プロに相談をしながら総合的にオフィスを創り上げたい企業様に向いています。オフィス向け以外の家具を買う場合は到着までに最短3日を要します。
同社は世界約100店舗を展開する家具・インテリア用品小売業の大手企業です。配送目安は2-6日ということで他社よりも配送までにかかる時間が平均的に短いようです。ただ中にはローカウンターのように受注生産の商品もあり、その場合は2-3週間後の到着となる模様です。オフィスへの引越し日までの日数を計算しながら注文する物を選べれば良いですね。
次に、5社のオフィス家具項目別の価格帯について比較してみます。
https://www.askul.co.jp/v/48592/?cateId=2&categoryM=0720005&categoryL=0720&categoryLl=07&deliveryEstimate=0&minPriceRange=&maxPriceRange=&sortDir=5&resultCount=50&resultType=0&variation=0&lstSelSpecCd=&priceRangeInputFlg=0&exclusionFlg=0&spcialDelivPicExclusionFlg=0&variationItemLImgPath=L1%2F9427885_l1.jpg
【オフィスモデルケース】チェア8脚¥33,520 + ソファ2台(4人)¥44,800
(小計)¥78,320
無印良品は2016年ごろからそれまでのホーム家具に加え、オフィス向け家具の発売を開始、法人向けサービスを開始しました。
無印良品のオフィス家具は「日本の木でできた家具」シリーズになります。
オフィスチェア・事務椅子・椅子カテゴリの中はさらに
オフィスチェア・事務椅子 / 会議用チェア・ミーティングチェア / 多目的チェア・カフェチェア / 医療福祉用チェア・介護チェア
応接ソファ・ロビーソファカテゴリの中は
応接ソファ・応接セット・オフィスソファ / ロビーソファ・ベンチ・スツール
にわかれています。
シンプルで使いやすい形のものが多く、優しいながらも華やかな色展開もあるため使い勝手が良さそうです。
https://www.nitori-net.jp/ec/product/3508951s/?rc=set
https://www.nitori-net.jp/ec/product/3517219-02s/?rc=set
https://www.nitori-net.jp/ec/product/3517202-02s/
【オフィスモデルケース】チェア8脚 ¥87,912 + ソファ3台(4人)¥134,970
(小計)¥222,882
他社と比較したところ、ほとんどの商品カテゴリで最も安いと言われている同社。
北欧メーカーらしいスタイリッシュなデザイン性もあり、「値段のわりにオシャレな家具が揃えられる。」と人気です。昨今、日本のオフィスはABW(アクティブ・ベースド・ワーキング)スタイルがトレンドです。これは社員の生産性を上げることを目的に、居心地がよい空間づくりをユニークでオシャレなオフィス家具・レイアウトを取り入れる事で叶えるスタイル。メインが北欧のホーム家具なイケア製品は、まさにこのトレンドにぴったりです。
なによりイケアのオフィス家具にカテゴライズされているものには、店頭販売されているホーム家具が多く含まれているため、他社でオフィス用として作られている物より安価になる傾向が高いです。
一方で、ホーム家具はオフィス用として作られた製品よりも耐久性の面で不安があるのも事実です。またイケア製品は全て自身で組み立て・設置を行う必要があるので、オフィス家具一式を揃えるとなると、組み立て代行サービスを別で依頼する必要があるかもしれません。
また送料が高額である事でも知られているため、その点も注意しておく必要があります。
他社と比較したところ、とにかく取扱い商品の量と種類が多いと言われている同社。この記事で取り扱うオフィス家具はもちろん消耗品であるあらゆるオフィス商品・専門職向けの作業・研究用品も取扱いがあり、「とにかく欲しいものがなんでも探せる。」と人気です。なにより到着が早く、午前中に頼んだ商品が午後届くなどしっかりとした流通経路から人気が高いです。また通常の送料が安いだけでなく、1,000円以上購入で送料無料と非常に安価なのも人気の理由の一つです。
ただし商品の種類も多く、分類も細かいため探している物を見つけるのには時間がかかるかもしれません。サイズの間違いなども発生しうるので注文前に注意深く確認する必要があります。仕入れ元のメーカーも様々なので、耐久性に関してはメーカーごとに大きく差がでそうです。ある程度オフィス家具への専門性がありそうなメーカーのものを選んだ方が良いかもしれません。
楽天は大手ECサイトであり、その出店数は5万店舗。さらに楽天カードを利用すれば高いポイント還元率、頻繁に開かれる還元率アップキャンペーン、貯まったポイントの使い道が豊富、など楽天とつく店舗・サイトでの売買取引には多くのメリットがあります。当然取扱い商品の種類も多く、中には楽天でしか買えないような商品もあります。
その反面、商品の分類も細かいため、探している物を見つけるのには時間がかかるかもしれません。
また店舗の質(取り扱い商品の質)も非常に幅広いです。
そのためオンラインでの買い物にある程度慣れている人でも、楽天での買い物は失敗してしまう可能性があります。オフィス家具に限っても、商品仕入れ元のメーカーが様々なので、耐久性に関してはメーカーごとに大きく差がでそうです。利用する際は、ある程度オフィス家具への専門性がありそうなメーカーの公式ショップを選び、その中から目当ての家具を探した方が良いかもしれません。
無印良品は、オフィス家具の種類自体は他社と比べて少ないですが、サービス面が充実しており他社とは一線を画しています。
1つめは賃貸住宅の空き室リフォームなどの場や地域の活性化に繋がる空間づくりを行うサービス「空間企画」です。
2つめは「日本の木でできた家具」シリーズを中心にあるものを活かしたリノベーションも含めた空間づくりをワンストップでサポートする「空間設計」です。こちらでは内装・特注家具の設計サービスも含められています。
最後に同社商品を活かしたレイアウトのご提案から実際の納品設置まで含めたオフィス、寮、店舗、施設、モデルルームの家具・小物のコーディネートをする「コーディネート」です。
全てのサービスにおいて専門のアドバイザーがヒアリングを行い、依頼に沿って提案をするため、コンセプトがしっかりした統一感のあるオフィスが完成しそうです。木のぬくもりが感じられる居心地が良いナチュラルでオシャレなオフィスを作りたい企業様、無印良品の家具が好きな企業様にはぴったりなサービスです。
ただ、オフィス家具を買いそろえる事にとどまらす、空間作り、内装や家具の設計、専門のアドバイザーとの相談などがあるため比較している他社よりは、費用がかさむことは免れ得ないでしょう。
ニトリは、オフィス家具の取扱い点数自体は他社と比べて少ないですが、色展開やサイズ展開が各アイテム毎に複数あるため、実際に取り扱われている品数はかなり多くなると思われます。また種類が絞られ、どのアイテムもシンプルなビジュアルな分、統一された規格を活用して部屋の形状に合わせた家具選びがしやすそうです。また、制作にかかる費用や納期は要相談ですがオリジナル家具を作れるサービスがあります。
オフィス家具に関しては、実物は全国にある一般店舗では確認ができないので、全国7ヶ所にある ショールームで確認し、オンラインで購入する方がよりイメージが掴めそうですね。
一方で、「チェアのクッションが早い段階でへたる」、「チェアのカバーがすぐボロボロになった」、「椅子の昇降機能が使えなくなった」などの声も散見されるため、耐久性に不安が残りそうです。
また商品に関して完成品で配送されるもの・配達員の方が組み立てまで行うものもありますが、中には自身で組み立てなくてはならないものもあるため注意が必要です。
オフィス家具を選ぶ際、3つの基準があります。
1つめは「貸室の形状」です。
働く人々が過ごしやすい環境づくりは、「貸室の形状」を考慮した家具選び方に左右されます。形状を基準に、人の動線を意識した配置を考え、家具を選ぶと良いでしょう。
2つめは「働き方」です。どのような働き方をするかに伴い、必要なオフィス環境が大きく変わります。
3つめの基準は「会社の目指したい雰囲気」です。
たとえば、社外での業務が多く、「簡単な相談を含めた一般の方の来客が多い働き方」であれば、執務スペースは小さめに、来客対応スペースを広く取ると良いかもしれません。
入口付近に広く空間をとり、体を楽にできるソファにローテーブルを組み合わせたミーティングスペースを複数設けると良いかもしれません。「気軽に相談がしやすい雰囲気」を意識して、リラックスできそうな配色を選んでも良いですね。
一方で「社内での業務が多く、来客は稀・具体的な商談を含めたBtoBでの来客メインの働き方」の場合は、執務スペースを広く取っても良いかもしれません。商談スペースになるので、しっかりとした間仕切り、重厚な革張りのソファ、もしくは高さのあるミーティングテーブルを組み合わせると良いかもしれません。また色合いに関しては、「具体的な商談・ビジネスシーンの真剣な雰囲気」を意識して、格式と落ち着きが演出できるダークトーンで統一しても良さそうです。
貸室(新しい移転先の部屋)の形状・働き方・会社の目指したい雰囲気の掛け合わせで考えることが重要です。
家具そのものに関しては、耐久性・追加導入のしやすさを考慮すると良いです。
ホーム家具のように使用頻度が低く、使う人間が限られている場合は耐久性よりも、個人の好み・デザイン性を優先しても良いでしょう。
ですがオフィス家具はほとんどの場合、長期間・複数人が使うためどうしても壊れるリスクがホーム家具以上に高まるため、より耐久性を意識する必要があります。
またオフィスの場合は人員増に伴い、会社全体の統一感を崩さないよう、同じデスクやチェアを追加購入する必要性があります。
その際「同じものが廃盤になっている。」といった事態に陥っては困ります。そのため選んだ会社が同じ型のものを生産し続けられそうかも考慮する必要があります。
また最近はオフィス家具のレンタル事業も一般的になってきました。事務所を使う期間が短ければオフィス家具のレンタルも視野に入れてみても良いですね。「中長期的にオフィスを借りるけれど、コストは抑えたい!」といった場合は中古のオフィス家具を使うのも1つの手段です。
ここまで5社のオフィス家具について項目別に比較・解説してきました。
オフィス家具に最低限必要なものは「デスク」「チェア」「棚」「ミーティングテーブル」でした。
オフィス家具が届くのは、比較した5社の場合「早くて当日中、遅くて1ヶ月」となりました。オーダーメイドが主流な家具メーカーと比較すると非常に早く家具を揃えられそうですね。
5社で比較してみるオフィス家具の価格帯・特徴に関しては、
無印良品が総額¥508,960で最も高額になりました。さらにここに相談費用なども上乗せになるため、実際の費用はさらにあがるものと思われます。
やはり家具のデザイン・材質にこだわりがあるため、他社よりも値段が上がってしまいます。ただオフィス全体に統一感を持たせ、木のぬくもりあふれる広く好感度の高い空間を、アドバイザーの方と二人三脚で創り上げられることは、他社と替えがきかない魅力ではないでしょうか?
次に高額なのはイケアで総額¥391,360でした。「安価でオシャレな家具を揃えられる。」という一般的なイメージとは裏腹に、今回は比較的高額になりました。
ただ家具の一つ一つの彩りの良さや、他に類をみないデザイン性の高さを考えれば順当と言えるかもしれません。また金額の幅が広いので、経費を考慮しながら製品を選べばグッと価格を抑えられるかもしれません。
比較した中で平均的な価格になったのは楽天で総額¥347,120でした。
楽天は楽天ポイントがつくところが大きなメリットです。特にオフィス家具のような大きな買い物であれば特にたくさんのポイントが付き、その分公共料金の支払いに充てるなど賢く活用できると経済的ですよね。
また提携先や取引先企業に楽天がある場合は利用した方が良いかもしれません。
オフィス家具に定評のある家具メーカーの公式ショップも複数あるので、一度に色々なメーカーを見比べてベストな家具を探せます。
ニトリは総額¥328,174でした。
デザインがシンプルかつ種類が抑えられているので使い勝手が良さそうです。また製品ごとのサイズ・色展開が比較的多いので、部屋の形状に合わせてレイアウトを考慮しながら統一感を持たせやすいです。
またおなじ型のものを長期的に生産している可能性が比較的高く、追加購入がしやすいです。
最後に、オフィス家具が一番安かったのはアスクルで¥196,139になりました。
オフィス家具に特化しているため、どの商品を買ってもアスクルと提携しているという点で安心できます。また到着までが圧倒的に早い商品が多いです。オフィス家具はもちろん、その後に買い足していくことが間違いないこまごまとした事務用品・文房具なども探しやすく、非常に安価か無料で配送されます。
オフィス家具のメーカーは網羅されてると言っても過言ではないため、耐久性は他社と比べても高いものが多そうです。
いかがでしたでしょうか?
これらの内容が、御社のニーズに合わせたオフィス家具選びにお役立ていただければ幸いです。
なお、オフィス家具の搬入には、管理会社の許可を取るのが一般的です。五月雨式で届くと他の入居者の迷惑になることがありますので、搬入のスケジュールは管理会社に届けることをお勧めいたします。
※当記事は2022年1月現在のものであり、製品の仕様や価格に変更が生じる可能性があります。