居抜きの入退去・メリット

目次

原状回復工事がなくなる居抜き退去

居抜きオフィスがここ何年かで取引量が増えています。とくにコロナ以降は居抜きでの退去が相談できるオーナーも増えてきています。次のテナントを見つけることを条件に、居抜きでの退去、つまり内装の引継ぎを次テナントに行い、原状回復の責務も次のテナントに引き継ぐという考えです。

居抜きには、4つのメリットがあります。

  1. 時に坪10万円以上になる原状回復工事を0円にすることも可能です。
  2. 退去日ギリギリまで営業ができるので、賃料が無駄になりません。
  3. まだまだ使えるキレイな状態の設備は適正価格で譲渡、売却も可能です。
  4. 次の借主がすぐに入居した場合、解約予告家賃が免除される可能性あり。
原状回復費用は、小・中規模オフィスの場合、一坪あたり2〜5万円程度、大規模なオフィスでは一坪あたり5〜20万円程度ですので、その金額が削減できるのは非常に大きいと言えます。

居抜き退去を希望する場合、貸主ならびに管理会社の許可を取ったうえで引継ぎテナントを見つけるということが必要です。無許可でスタートをきってしまう担当の方がいますが、次借り手となるテナントの入居賃料が現在の賃料と同じかというと、そうとも限らず、賃料が上昇するということもありますので、注意してください。

また、居抜き退去を貸主や管理会社は多くの場合好みません。居抜き退去により、次テナントを見つけやすくなるというメリットがあるなかで、前向きになれないのには理由があります。それは、残置物の所有権が引き継がれるかについてトラブルになることが多いからです。

残置物の所有権は、

  • A:現テナント ⇒ 所有者 ⇒ 次期テナント
  • B:現テナント ⇒ 次期テナント
のどちらかが不明瞭になることによって起きるトラブルです。実際には、オーナーはBと思っていて、テナント側がAと思っていることによって起きます。

このトラブルを避けるためには、資産譲渡契約書と、原状回復基準の覚書を交わすことです。それも、引継ぎテナントが見つかっての話でもあるので、次テナントを探すために、仲介会社・知人を含めて、広く募集ができるように、貸主や管理会社の協力を取り付けることから始まると言えます。

オーナーならびに管理会社の許諾を得られたら、募集をしましょう。仲介業者に協力を求めると同時に、自身でSNSなどをつかって発信すると良いと思います。案外、近くに入居希望者はいたりします。

オフィス仲介業者の居抜き募集の流れ

1

ヒアリング

物件情報や契約条件などを確認させていただきます。

2

オーナー様への説明

居抜きで募集するには、オーナー様の承諾が必要となる為、当社からオーナー様へご説明いたします。

3

次期入居者の募集

当サイトに居抜き物件として掲載を開始し、次期入居者様を探します。

4

入居希望者の内見

入居を検討されている方が内見をする機会が出てきます。

5

入居希望者 決定

次期・条件の調整をいたします。

6

次期入居者 使用開始

参考

居抜き募集を行っているサイトで物件数が比較的多い会社は

が、代表的なサイトになります。物件を見つけるのも、退去する場合も、上記のような会社の協力をしてもらうことで、契約の可能性が高まるでしょう。

入居工事費を大幅に節約する居抜き移転

居抜きでオフィスを探すという希望者が年々増えていますが、実際に居抜きでの入居がかなう企業は実際には多くはありません。

オフィス移転には変えられない時期というものがあり、退去側も入居側もタイミングがあっての居抜きだからです。

居抜き移転は、初期の内装工事にかかる費用を大きく削減できますが、退去側が全部の什器を置いていってくれるとは限りません。部分的な話が出たときに、部分的引継ぎをするか、全部でないと受け入れることができないかなどの調整が必要になってきます。

原状回復費用が不明のオフィスを引き継ぐというのも若干気になる部分でもあると思います。多くの場合、そのような状況にある物件は、オーナーからの原状回復工事の見積もりが出ている状態であるため、居抜きで借りたオフィスを退去するときの金額も見据えることができますので、見積もりを保管しておくとよいでしょう。

ここ数年で、居抜きではありませんが、セットアップという内装付き物件の募集も増えています。内装付きオフィスの貸し出し賃料は家具代が込みになっているため高めの設定にはなっていますが、初期費用が押さることができます。また、費用がランニングにならされているため、資産にもならないという特徴があります。

WE WORKのようなシェアオフィスの専用個室プランなど、利用契約で個室がもてる施設も増えてきていますし、東急不動産のQUICKというプランに対応している物件だと、敷金の減額や内装付きのプランを選択できることがあります。その他オーナーの物件でも、内装付きや敷金の減額プランなどがあります。

多様化する物件に、自身の知識だけで対応するのは難しくなってきているので、仲介業者や同じ規模で移転を行った企業の担当者に相談をすることもお勧めです。

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